吉野家のち本屋【「田舎のパン屋が見つけた腐る経済」を読んで】

Category : その他
僕がこの福岡日帰り修行で立ち寄った場所は、福岡空港内の吉野家と本屋だけ。送迎デッキにも出ていないし、お土産屋すら立ち寄っていない。何故か時間が微妙にあると本屋に行きたくなる。


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福岡空港の本屋は少し前に新しくなり広くてオシャレになった。品揃えもよく僕が好きなビジネス書のラインナップも豊富である。

福岡に来て「ハッ」としたことは、「結局どこへ行っても僕の休日の行動パターンは同じだ」ということだ。僕は基本的に休日に一人で過ごすことはないが、たまに家族全員が用事で出掛けてしまい僕一人だけになることがある。そんなとき決まって僕が行く先が吉野家と本屋なのだ。まさに今回福岡で取った行動と同じである。飛行機に乗りに福岡に来ても、休日の過ごし方がまるで同じだということに気付き、何だか恥ずかしさのようなものを覚えてしまった。

僕は基本的に家でゆっくり過ごしたいと思うことが多いのだが、昼ご飯の時間に掛かると昼ご飯を食べる必要があるので外へ出る。そんなときにフラッと出掛けていくのが吉野家である。そして吉野家でご飯を食べた後、本屋に行く。本屋で30分~1時間くらいゴソゴソやって家に帰ってくるのが僕の定番の過ごし方だ。

「吉野家のち本屋」

これぞ一流の男の休日の過ごし方

である。

僕は本が好きだ。年間150冊くらい読んでいた頃もあるが、最近では年間50~60冊くらいに減った。電車の中などでスキマ時間ができたら基本的に本を読むことにしている。特にビジネス書、その中でも自己啓発書や経済関係の本が特に好きである。

自己啓発書は読み飽きたが、何故か買ってしまう悪い癖がある。自己啓発書は「栄養ドリンクのようなもの」だと思って読んでいる。どの本にも同じことが書いてあり、目新しい内容はないのだが、読むと元気が出てきて何だか前向きな気持ちになれることが多いので、ちょっと気持ちがナヨっとしてきたらテキトーに買って読んでいる。

経済書は難しいものではなく簡単なものが好き。最近読んだ中で一番面白かったのがこの本だ。


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「田舎のパン屋が見つけた腐る経済」。2013年に出版されたらしいが、今になり売れている本だ。

内容を簡単に言うと、岡山にある「タルマーリー」という名前のパン屋のオーナーが、パンの作り方とマルクス経済学、そして自分たちの生き方ついて解説する本だ。パンと経済学がどう繋がっているのかというのは本を読んで理解してもらうこととして、経済学の内容は主にマルクスの「資本論」の解説である。著者の人生に基づいて書かれているから説得力があり興味深い。パンについても資本論についても非常に分かりやすく、そして面白く書かれており、一気に読み進められる本である。

しかし、僕はこの本を読んで大きな違和感を覚えた。著者はパン屋のオーナーだ。単なる街のパン屋じゃなく、かなりこだわりを持った変なパン屋。なのに何故、マルクスの資本論に自分の人生を重ねたエッセイがこうもたやすく書けるのかということだ。元々文才があったのかも知れないが、素人が、しかも出版など経験したことのない(と思われる)素人がここまで書けるとは思えない内容である。正直なところ、全体を通して「話が出来過ぎている感じ」を受けた。僕は裏にゴーストライターの影を感じ取った。こんな本を一人で書くことは不可能だ。ゴーストライターでないのならば裏には相当敏腕なエディターが付いているに違いない。

経済の歴史で語られる「金本位制」を「菌本位制」ともじってパン作りと掛けてみたり「(アダムスミスの)神の見えざる手」を「菌の見えざる手」ともじって菌の力について語ってみたりと、キャッチコピーのセンスも抜群だ。どう考えても「田舎のパン屋」が書ける内容ではないのである。

しかも著者はパン屋の経営を通じて、マルクス資本主義のシステムから外に出ることを追及している。労働者を搾取しない、利潤を生まない、地域と共生する、というのが著者の目指すところらしいが、日本のような完全なる資本主義の社会でそのシステムから外に出るのはそもそも不可能である。パンで利潤を追求しない分、他で儲けるために本を書いたのか?そんな戦略的なビジネス志向があるのでは?と要らない詮索がふと頭をよぎってしまった。

しかも著者は最近拠点を岡山から鳥取に移している。パン屋をやめビール工房兼カフェを営んでいるらしい。利潤を追求せず、地域との共生をモットーに生きる田舎のパン屋がどうやったら事業を拡大し他県に移転ができるのだろう。資本主義システムからの脱却を目指しながら、資本主義システムに非常にマッチしている著者に大きな疑念を抱いた。

まとめると、この本を読んで感じたのは「話がよく出来過ぎている」ということと「大きな矛盾を感じる」ということである。巷では「感動的な本」だと評価は高いが、僕としては

「強烈な違和感」を覚える一冊

であった。

完全に脱線しました…。


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