ビジネスクラスにも色々種類があるけど結局どれがいいの?

Category : ビジネスクラス
一概にビジネスクラスと言っても様々なシートアレンジがある。大きく分けると3種類に分けられる。伝統的な2席ペア、互い違いのスタッガード、斜め向きに配置されたヘリンボーンである。近年では伝統的な2席ペアは減り、スタッガードとヘリンボーンが主流になりつつある。シンガポール航空のA380に搭載されているビジネスクラスのように例外的なシートアレンジ(ファーストクラスに近い)はあるものの、大体上記の3種類に当てはまる。

細かいことを言うとスタッガードにも、隣同士のシート(ペアシート)が存在しないタイプ(例:ANA)やペアシートが存在するタイプ(例:タイ航空)、半数の乗客が進行方向後ろを向くタイプ(例:英国航空)など、様々な亜流があるが、総じてスタッガードと呼ぶことにする。またヘリンボーンにも頭が通路側に来るのか、窓側に来るのかで細かな違いがあるがここでは総じてヘリンボーンと呼ぶことにする。

まずは伝統的な2席ペアの座席から見て行こう。身近なところでは、タイ航空の787のビジネスクラスが挙げられる。タイ航空787は成田を始めセントレア、福岡にも定期便として飛来している。


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(タイ航空787ビジネスクラス)

タイ航空の787は2席が平行にはなっているものの、2席の向きがが機体のX軸(機首方向の軸)少しの角度だけずれており、そうすることで足元が広くなりプライベート感を高めている。

その他欧州系のエアラインは2席ペアのエアラインが多い。KLMやルフトハンザがこのタイプだ。頭が離れていて足元が近づくタイプなど、こちらにも様々な亜流が存在するが、本的には2席ペアの概念は変わらない。

2席ペアのシートアレンジの特徴はやはりキャビンが開放的になることである。スタッガードやヘリンボーンのように過剰なほどのパーティションがなく、キャビンがとても広く見える。プライベート感を犠牲にする変わりに広い空間を演出している。広い空間は気持ちまで穏やかにしてくれる。広く開放的なキャビンは2席ペアのビジネスクラスだけのものだ。

この2席ペアは夫婦や家族、友人同士で旅行する場合には最も理想的な座席配置となる。反対に一人で行くビジネス旅行においてはマイナスとなる。窓側に座ると通路に出るのが億劫になるからである。気心知れた相手ならば通路に出るのに気苦労はないが、赤の他人であればかなり気を使うはずだ。隣の座席をベッドにされてしまったら、眠っている人またいで通路に出るしかない。間違って覆いかぶさってしまうのを防ぐためかなり無理な姿勢を強いられることもある。

また、デメリットとしてはサイドテーブルがないことである、2席ペアの座席にはちょっと何かモノを置きたいときに置いておくスペースがない。ひじ掛けを上げればテーブルが出てくるが、テーブルを出してしまうと席を立てなくなるためそれでは目的は果たせない。僕らが欲しいのは、ちょっと本やカメラを置いておくためのサイドテーブルである。2席ペアの座席配置にはそんなテーブルはない。この問題はスタッガードやヘリンボーンでは解決されているため、2席ペアシートだけの問題であると言えよう。


続いてヘリンボーンだ。ベトナム航空の787ではヘリンボーンが採用されている。ヘリンボーンとは「魚の骨」を意味し、ある軸に対して斜めに刺さるように座席が配置されている方式を言う。言葉で説明するより、写真を見た方が早いだろう。ベトナム航空787のビジネスクラスキャビンを後ろから見るとこんな感じだ。


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(ベトナム航空787ビジネスクラス)

ヘリンボーンの特徴はプライベート感が高いこと。またお互いに斜めを向いていることから、通路を挟んで隣同士であってもお互いに顔が反対に向くため、他人の目線が気にならないことだ。

また、ヘリンボーンはスタッガードと違い、全席共通の仕様であるため、どの席に座ってもあまり不公平感がない。スタッガードの場合は、通路に近い席、窓側に近い席という属性があり、通路側に座ってしまうとプライベート感が少なくなるというデメリットがあるが、ヘリンボーンにはその概念がない。席ごとの優位差が少ないのがヘリンボーンのメリットと言ってもよいだろう。


しかし世の中には反対向きのヘリンボーンというものがあり、その場合はお互いの視線がぶつかることがある。(お互いに向き合うパターンがヘリンボーンの原型と言われている。)


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(デルタ航空777ビジネスクラス)

上の写真が反対向きのヘリンボーンである。ただこのタイプでも、そもそも隣の座席とは通路を隔てており、顔と顔の距離は遠いため、そんなに隣の人は気にならないというのが実際に乗ってみての感想だ。ただ、やはりお互いにそっぽを向くタイプの方が僕は落ちつくと感じる。


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(デルタ航空A330ビジネスクラス)

欠点を言ってしまうと、上の写真のテーブルのようにヘリンボーンの座席ではサイドテーブルが小さいため、何となく使い勝手が悪いと感じるときがある。やはり机は四角い方が使いやすい。


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(デルタ航空747ビジネスクラス)

しかし747のような大型機の場合はテーブルが大きく使いやすいこともある。テーブルの大きさが機材によって異なるのもヘリンボーンの特徴と言える。

比較的気付きにくい欠点として、ヘリンボーンは進行方向に向かって斜めについているため、何となく落ち着かないと感じる人もいるようだ。機体軸に対して平行に配置されている座席の方が心理的な安心感がある。ただ、この辺りは個人差が大きいため一概にデメリットとは言えないかも知れない。

最後に、ヘリンボーンもスタッガードも全席通路側であるため、トイレに出るときに誰にも遠慮しなくても良いところが2席ペアと比べて優れている点である。


続いてスタッガードだ。スタッガードとは千鳥状、互い違いを意味し、その名の通り、前後の座席の配置を互い違いにして、前後間隔を縮めて効率よく配置した座席パターンを指す。

ベトナム航空A350にはスタッガードが採用されており、同じエアラインで2種のソロシートタイプが体験できる数少ないエアラインである。(前述したが、ベトナム航空787はヘリンボーン。)


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(ベトナム航空A350ビジネスクラス)

ベトナム航空A350のスタッガードでは、ヘリンボーンに比べて閉塞感は少ないように思う。見える壁の面積が小さいからそう思うのかも知れない。


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後ろから見ると互い違いに配置されているのが一目瞭然である。


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(タイ航空A380ビジネスクラス)

こちらはタイ航空A380のスタッガードだ。ベトナム航空A350と同様にヘリンボーンに比べて閉塞感は少なく感じる。

このスタッガードにも様々な亜流があり、例えばJALのスタッガードはかなり閉塞感が強い。


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(JAL 777-300ERビジネスクラス通路側より)

この壁だらけの空間はとても窮屈そうに見える。写真を撮る高さが低いというのもあるが、JALのスタッガードはたとえ立ち上がって一望しても壁が高く閉塞感が強い。


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(JAL 777-300ERビジネスクラス窓側より)

特に窓側に座るとその傾向が強く、周りを見渡すと壁ばかりだ。しかしこの壁ばかりのキャビンがプライベート感があって落ち着くという場合もあり、完全なる個室感が隠れ家的でいいという意見もある。僕なんかはJALのスタッガードは好きな方である。

スタッガードのいいところはまさに上の写真の窓側みたいにプライベート感がとても強いこと。ヘリンボーンもそれなりのプライベート感があるが、スタッガードの窓側席には劣るはずだ。


DSC_6249.jpg
(ANA787ビジネスクラス)

足元が比較的広いのもスタッガードの特徴と言える。これはエアラインごとに異なるが、ANAの場合は足元がとても広い。ヘリンボーンの足回りは先細りの傾向にあるためその点はスタッガードに軍配が上がる。

さらにスタッガードとヘリンボーンの大きな違いは、スタッガードであれば窓側に座ると窓が近いので理想的な状態で機窓が眺められることだ。これがヘリンボーンだと窓が遠くてそんなわけには行かない。かなり体を乗り出して窓の外を見なければいけないのだ。

またヘリンボーンのところで述べた欠点との裏返しになるが、進行方向に対して同じ方向を向いているという安心感もある。

ここまで言うと圧倒的にスタッガードの方が良いように思えるが、スタッガードでも大きな欠陥が存在する場合があり、前の座席が丸見えになる座席には注意が必要である。


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(ANA777⁻300ERビジネスクラス)

ANAビジネスクラスの真ん中の列では、こんな風に前の人のシートモニタが見える。前の人のが見えるということは、後ろの人から自分も見えるということだ。これでは非常に居心地が悪い。是非とも改善して欲しいところである。


さて、ここまででビジネスクラスの主流3タイプを見てきたが、それぞれに特徴があり長所があり短所がある。まとめよう。

■2席ペア
長所:キャビンが開放的/隣同士になれる
短所:窓側から通路に出るのが億劫/常時出しておけるテーブルがない

■ヘリンボーン
長所:プライベート感が高い/座席位置による快適性の差が小さい
短所:テーブルが小さい機材がある/ベッドにしたときに足元が狭い

■スタッガード
長所:窓側席はプライベート感が最も高い/ベッドにしたときに足元が広い
短所:座席の属性で快適性が大きく異なる

僕が最も好きなタイプは何かと言うと、やっぱりスタッガードである。しかも壁だらけのプライベート感の高いシートがいい。ANAのビジネスクラスよりもJALのビジネスクラスが良い(長距離路線で乗ったことはないけれど。)。ただし、もちろんそれは窓側に座ったときの話だ。スタッガードの真ん中席に座るのならば、僕はヘリンボーンを選ぶ。

つまり窓列の窓側に座れればスタッガードがいいが、それ以外の座席ならばヘリンボーンがいいという意味である。そう考えるとスタッガードとヘリンボーンに大差はないということにもなる。基本的にヘリンボーンで満足であり、欲を言えばスタッガードの窓側席が理想的ということだ。

僕はビジネスクラスにプライベート感を求めている。隣を気にせずに過ごすことができて、それなりに眠れることが重要である。スタッガードもヘリンボーンもその条件は十分に満たしているため、結局どちらでも良いのである。僕はそんなに体が大きい方ではないから、足元の狭さはあまり気にならないし、テーブルの小ささについてもないよりはマシである。

ここまで自分が経験した中でのビジネスクラスの座席3タイプを解説し、それぞれの長所短所を述べてきたが、読者の皆さんのお気に入りのビジネスクラスタイプはどれだろうか。

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