最新旅客機ボーイング707に出会う【スミソニアン航空博物館別館にて】

Category : 博物館
続いてこの博物館きっての「最新」旅客機を紹介したい。博物館となると展示されているのは古い航空機ばかり。一度も飛んでいる姿を見たことがない飛行機がズラリと並んでいるのは、それはそれで勉強にはなるが、やっぱり新しくて自分に馴染みのある飛行機を間近で見たいものである。となるともうあの飛行機しかない。Boeing707だ。Boeing707ならば僕だって見たことがある。乗ったことはないが、この目で見たことはある。しかも何度も。


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これぞボーイングの顔である。近年のボーイング機の歴史はここから始まったと言っても過言ではない。いや、過言というか、まさにこの旅客機から始まったのだ。「この顔をしているボーイング機を3つ言え」と言われたらアナタは言えるだろうか。707、727、737だ。この顔を見たらピンとくる人は航空マニアとしてそれなりに修業を積んだ証拠だ。707から始まり787へ。数字を7で挟むボーイングの旅客機はこの顔からは進化してきたのだ。


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カラーリングは現在のハウスカラーとは似ても似つかないカラーリングだが、これがBoeing707のれっきとしたプロトタイプ機なのである。


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尾翼にはBoeing707という機種名が刻まれている。実はこの飛行機、正確にはBoeing707ではなくBoeijng367‐80と呼ばれる機体である。「707じゃなくて367?なんで?」と言っても実際にそうなのだから仕方がない。Boeing707の原型はBoeing 367-80なのだ。ちなみに後ろの「-80」の部分を取って「ダッシュエイティー」と呼ばれるのが一般的である。

それでBoeing367-80とBoeing707はどう違うのか。そもそもBoeingはジェット旅客機を作るつもりはあまりなかったと言ってもいい。当時はジェット機の黎明機であまりジェット機に乗りたいという人がいなかった。航空会社としても「レシプロ機の次はターボプロップ機かな?」と思っていたくらいで、「まぁ、ジェット機はもう少し先でもいいでしょ」と考えていたらしいのだ。なのでボーイングが開発しようとしたのは給油機だった。当時、高速で飛行する戦闘機に給油するのはジェット機が最適だった。それで旅客機でコケたら給油機で生きていこうという軽いノリでBoeing367-80の開発を進めたのである。(軽いノリかどうかは知らないが…。)


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エンジンは4発。後退角の付いた翼は見るからに早く飛べそうである。そして当初のもくろみ通り、Boeign367-80は米軍に給油機(タンカー)として採用され、名称をKC-135に変えた。KC-135であれば知っている人も多いだろう。随分と老朽化が進んでいるが、米軍の給油機と言えばKC-135と言っても過言ではないくらい有名な給油機である。まもなくKC-46(767の給油機型)にその座を譲ろうとしているが、まだまだ現役で飛べる米軍タンカーである。

KC-135として採用された後、結局Boeing367-80はBoeing707として旅客機になる。そしてここで歴史的にもあまり類を見ないことが行われる。胴体を太くしたのだ。Boeing707は3-3の座席配置の単通路機だ。3-3配置を実現するためにはBoeing367の胴体径では少し足りなかった。そこで胴体の直径を6インチ(15cm)だけ太くして3-3配置を可能にしたのである。


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すなわち、このBoeing707と書かれた飛行機と実際のBoeing707とでは胴体径が15㎝違うことになる。知らなかった人は多いはずだ。KC-135とBoeing707を比べてもBoeing707 の方が胴体が太いのだ。さすがにこの機体を見て「量産型の707の方が太いじゃん」という人はいないと思うが…。

見ただけ気付いたという人はどうか教えて頂きたい。

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