目に見える揚力【上にたわんでいく翼を観察する】

Category : その他
さあ、シカゴ行きNH11便の離陸の順番がやってきた。


2015OCT-NH12-031.jpg
RWY34Lに進入する。

ここで面白い現象をお見せしよう。「目に見える揚力」というタイトルにした理由を、これからお見せする写真たちが語ってくれるはずだ。


2015OCT-NH12-032.jpg
最初、翼は自分の燃料の重みで下にたわんでいる。しかもエンジンが付いているから、翼は燃料とエンジンでとても重たいはずだ。

これが走り出すとどうなるか。


2015OCT-NH12-033.jpg
少し滑走すると翼端が持ち上がってきた。一つ前の写真では見えなかった日の丸マークが見えるようになった。


2015OCT-NH12-034.jpg
もう少し走るとエンジンナセルのフィンから吹き上げる渦とともにもっともっと翼端が持ち上がっているのが分かるだろう。日の丸もさっきよりもよく見えるようになっている。


2015OCT-NH12-036.jpg
そして離陸。上空に行っても同じくらいたわんでいる。

この主翼のたわみこそ揚力が発生している証である。翼内には燃料が入り、エンジンが付いている。それでもこれだけ上に持ちあがるのだから、翼に働く揚力はとてつもなく大きいということになる。という前に翼は、燃料やエンジンがどれだけ重かろうが、燃料込み、エンジン込みの飛行機全体を持ち上げているのだから、そこに働く揚力はハンパなくデカいのだ。

飛行機が浮き上がるのが信じられない人は、多分自分が飛べないからそう思ってしまうのだろう。揚力を自分の体で感じたことがないから不思議なのだ。きっと鳥さんに聞いてみれば分かると思う。「揚力って結構簡単に発生するよね」って。そしたらきっと「そんなこと考えたことないけど、飛ぶのなんて簡単じゃん」なんて答えが返ってくるに違いない。

これだけの力が発生しているのだから飛行機が飛ぶのは当たり前。上の写真を見ればそう思えてくるだろう。


2015OCT-NH12-035.jpg
ちなみにこの水蒸気みたいに「シュー」って出ているヤツは、いわゆる渦(ボルテックス)。エンジンナセルに付いているフィンから発生している渦である。翼に付いているエンジンは、揚力を働かせるにあたって邪魔なものでしかない。エンジンは翼に対し変な気流を生み出して、揚力の発生を邪魔している。それをエンジンに付けられたフィンを使って上手く流してやっていると考えればよい。整流というよりも渦を作って揚力の剥離を抑えていると言った方が正しいかも知れない。

翼の表面にも小さなボルテックスジェネレータが付いているが、それはつまり翼の上の空気を少し乱して、空気が剥がれていくのを抑える働きをしているのだ。同じような原理のものがエンジンについているフィンである。翼上に渦を作ってやることにより翼からの空気の剥離を防いでいるのである。

直観的に分かりにくいが、実は空気の流れというのは、整いすぎていてもダメなのだ。ちょっとくらい乱れている方が安定的なのである。どこぞの国の軍事パレードのようにビシっと整った行列の中を抜けるよりも、混雑したスタジアムのようにランダムに歩いている人混みを抜ける方が簡単な気がしないか?翼の上の空気の流れも、言ってみればそんなようなものなのだ。

スポンサーサイト









Comment

非公開コメント

サイト内検索
イケてる航空旅行研究所内の記事を検索できます。
カスタム検索
プロフィール

航空ブロガー

Author:航空ブロガー

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
Google+
GoogleAnalytics
サイト内検索
イケてる航空旅行研究所内の記事を検索できます。
カスタム検索