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鳥海高太朗著「天草エアラインの奇跡」を読んで【イケてる航空書評】

Category : その他
鳥海高太朗氏著の「天草エアラインの奇跡」を読んだ。一言で言うと、鳥海高太朗氏渾身の企業復活ドキュメントである。瀕死状態だった天草エアを見事に立ち直らせた、前社長をはじめとする全社員の奮闘記だ。

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実は僕は天草エアに一度も乗ったことがない。そこは自らの恥じる点であるのだが、この本を読むと、天草エアがどんなエアラインなのか、乗らずして乗ったことのある気にさせてくれる。まずそこが凄い。詳細な記述によって、天草エアがとてもユニークで愉快なエアラインだとうことが伝わってくるのだ。僕がこの本で知り得た天草エアラインのことを人に話せば、きっとその人は僕を疑わないであろう。「あ、この人、天草エアよく乗るんだ」と。

しかし、この本はそんな航空ファン向けの本ではない。逆にそういう類の本だと思うと肩透かしを食らう。前著の「エアラインの攻防」とも少し違う趣向の本である。「航空」や「旅行」というテーマに限定した本ではなく、ジャンルで言えば「経営系のビジネス書」だ。タイトルこそ「天草エアライン」という「航空」系のタイトルが付いているものの、中身はしっかりと書かれたノンフィクションドラマである。鳥海氏が得意なエアラインをテーマとした、幅広い読者層を狙う戦略的な著作とも言える。

僕がこの本から読み取ったのは、「トップが会社の命運を左右する」という当たり前のようでなかなか実践できない企業の大原則だ。天草エアがどん底にあったとき、社長室には壁があり、社員の意見は全く聞き入れられなかった。しかし前社長が就任してからというもの、壁は取り払われ、社内の雰囲気は激変し、社員が一丸となって革新していく企業に変わった。また、外部からの人の登用(小山薫堂氏やパラダイス山元氏)、メディア向けの積極的な発信、様々なイベントの企画によって知名度や好感度アップにもつながった。トップの交代によりどんな風に企業が復活を遂げていくのか。その物語は航空ファンではなくても興味の湧くところである。

鳥海氏の緻密な取材によって描かれる、美しくも泥臭い人間模様に、読み手は天草エアラインの現場の中に引き込まれていく。次の展開にハラハラドキドキもする。前々社長と前社長との対比を笑うのも面白い。時折顔を出す天草エアラインのこぼれ話や、パイロット、客室、整備などそれぞれの立場から見たエアラインの舞台裏は非常に興味をそそる。

天草エアを全く知らなくても、企業を復活させるためのノウハウが詰まった本として読める。それが今回の著作の最大の強みだ。取材の対象は社員50強の中小企業ではあるが、内容は大企業にも充分に適用できるものである。大企業であれば社長ではなくチームや組織のトップがどうあるべきかという立場で読めばいい。本作は組織で働く全ての人に、問題解決の糸口をもたらしてくれるようなビジネス書と言えるだろう。

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