全員搭乗してもなかなかドアが閉まらない。
どうしたものかと心配していたら、放送が入った。
「バゲージが何とかかんとか」と言っている気がしたが、よく聞き取れなかった。
コックピットのドアが開いていたので、
バゲージと言いつつ、実はシステムの不具合かも知れないと思ったのでクルーに聞いてみた。
「アナウンスが聞き取れなったんだけど、何がトラブル?」と。
そしたら「バゲージシステムが故障して、全部手動でやっている。それで遅れている。」
とのことだった。
再び放送が入った。
「バゲージの問題は続いています。」とだけだ。
やがてドアは閉まった。
「バゲージの問題は解消しませんでした。」と放送が入った。
僕はにわかに不安を覚えた。
解釈を間違えると、その放送は、
「何か不審な手荷物があってそれを特定できなかった」
ように聞こえてしまうのだ。
状況からすると、「システムは結局復旧しなかった」という意味だろうが、
否定形で終わる放送は乗客を妙に不安にさせるものである。
「トラブルは解消しなかったが、プロフェッショナルなチームが手動でコンプリートさせた。」
みたいなことを言ってくれればこちらは安心できるのに、
言葉足らずで否定形だったものだから、
何だかモヤモヤした気持ちが残ってしまったのである。
変な荷物、乗ってないよね?まさか・・・。
不安は解消されなかったが、フィンエアーを信じ身をゆだねることにした。
結局1時間遅れで出発した。

フィンエアー832便はロンドンの空に舞い上がった。
バゲージのトラブルは解消しないままに。

何となく不安を抱きながら、どんどん遠くなるロンドンの街を眺めていた。

ヘルシンキまでは3時間。
ちょうど日本から台湾くらいの飛行時間だ。
結局到着まで何もなかったのだが、実に不安な出発の仕方だったことを覚えている。
もう一度言いたい。
トラブルの後、否定形で終わる放送はやめて欲しい。いつも見て頂きありがとうございます。
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