ザ・ドキュメントMRJ初飛行【着陸編】

Category : MRJ
小牧を離陸したMRJは右旋回をして遠州灘に向かった。何故遠州灘かというと、そこに自衛隊の訓練空域があるからだ。当初、初飛行を行う空域は小松沖の日本海か、遠州灘のどちらかとアナウンスされていた。それぞれG空域(日本海)、K空域(遠州灘)と呼ばれるエリアである。マニアの間ではフォネティックコードを使い、「ゴルフ」、「キィロ」なんて呼んだりもする。

G空域はK空域に比べて小牧から遠いことと、G空域は進出を含め比較的制約が厳しいことがあって、両者とも晴れていればK空域が選ばれると予想していた。11月11日の中部地方はおおむね晴れ。従って小牧から近いK空域が選ばれたというわけである。(推測だが)

K空域での様子はFlight Rada24で逐一観察していたが、時々機影を失った。電波の受信状態が悪いのか、ADS-Bのデータを発信しているMRJ側の装置(トランスポンダ)の状態が悪いのか分からないが、途中で完全に機影が消えた。「堕ちた?」なんて悪い予感も頭をよぎったが、まさかそんなことがあるはずがない。ちなみに僕が見た最高の高度は19000ftであった。20000ft近くまで上昇しているようであった。


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試験時間が1時間と聞いていたので、着陸を撮ろうとRWY34エンドに近い味美駅に向かった。昨日速報版をアップロードしたのはまさにこの味美駅からだ。

ここから歩いてRWY34エンドにあるエアフロントオアシスに向かった。途中、皆が撮らないような撮影スポットがないかどうか探索したが、味美駅自体が着陸経路の直上にあたるためRWY34エンドまで歩いていってもほとんどが着陸経路の真上ということになる。ある程度離れないと撮れないこともあり、歩いているうちにRWY34エンドに着いてしまった。


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エアフロントオアシスはいわゆる公園である。ここで皆、着陸を見ようとしているわけだ。歩道橋から見るとこの人だかり。とは言うものの、MRJの初飛行という世紀のイベントの人の入りとしては少な過ぎると感じた。全然大したことないではないか。


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歩道橋の上から撮影しないようにと警察官が2人歩道橋の上に立っていた。歩道橋の上から撮ろうとすると注意を受ける。下が道路だし、人が大挙して押し寄せて押し潰されるような事態になったら大変だからだ。皆、歩道橋の上から撮りたいはずだが、事故が起きてからでは遅いので、こういった対応は仕方ないことなのだろう。


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駐車場にはメーテレの中継車が来ていた。色々な人に声を掛けインタビューをしていた。


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降りてくるFDAで練習をする。露出は大丈夫か。飛行経路に障害物は入らないかと入念?なチェックを行った。(実際に撮影した場所はこの場所ではなかったが…。)

この時、情報が錯綜していた。飛行時間は1時間とのことだったが、既に1時間を過ぎている。そこに1時間半という情報が流れた。そうすると着陸時刻は11時過ぎとなる。11時少し前から、6000ftを北上してくるNo Call Signの機体をFlight Radarで確認していた。恐らくそれがMRJだと思われた。


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ナゴヤタワー(118.7MHz)に「JA21MJフォーメーションフライト」のコールサインが飛び込んできた。すぐに「Cleared to Land」(着陸を許可する)との交信が聞こえた。まもなく降りてくる。周囲では緊張が走った。ちなみに離陸するとき、コールサインは「JA21MJ」だが、着陸時には後ろに「フォーメーションフライト」というのが付加されていた。「フォーメーションフライト」というのは「編隊」という意味だ。2機以上が編隊を組む時にはそんなコールサインになることがある(筆頭のコールサイン+1,2,3となることもある)。


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まず飛び込んできたのはT-4。これが先に降りるのかと一瞬思ってしまったが、そんなわけはない。チェイサーは必ず本機よりも後に降りるのである。


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すぐにMRJの大きな機体が飛び込んできた。手に汗握る瞬間だった。これだけ近いと機体のスピードはかなり速く感じる。久々に滑走路エンドで撮る僕には難しく感じた。


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フレームアウトしないようにと、小さめに撮ろうとする心理が働く。トリミングなしだとやはり小さい。最大限にズームアップして寄れば、もっとカッコいいショットになったのかも知れないが、初飛行の状況下でそれをするのは勇気が必要だった。まずは無難に真横のショットを狙った。


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T-4との2ショットがここでも叶った。ずっとそばで飛んでくれるT-4はやはり頼もしい存在である。今考えれば、Mitsubishi F-2のチェイスでオール三菱として固めるという選択肢もあったとは思うが、戦闘機は遅い速度域が苦手なためKawasaki T-4が選ばれたのではないだろうか。戦闘機が旅客機のチェイスをすると、着陸時にかなりの高迎角になってしまい、ハッキリ言って危険なのだ。あまりに高迎角の戦闘機は見た目にも美しくない。


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向こう側にもMU-300が飛んでいる。T-4よりも機体は大きいが小さく見えるということはT-4よりも遠くを飛んでいるということである。

(ちなみに昨日からT-4がどうだこうだ言ってるが、T-4はブルーインパルスのことだ。厳密に言えばブルーインパルスがT-4なのだ。)


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ギャラリーの目の前を飛んでいくMRJ。タッチダウンの瞬間まで狙いたかったが、この位置からは不可能であった。着陸した瞬間、周囲からは拍手が巻き起こった。皆、初飛行のタッチダウンを見て「おめでとう」と拍手で祝福したのである。


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MRJの着陸からほんの少し遅れてNo.3チェイサーのMU-300が真上を通過していった。これらのチェイサーは一旦ローパスを行い順番に降りてくる。再び味美駅に向かおうと歩いている頃、MU-300が2機立て続けに降りてきた。「T-4は?」が降りてこなかったのを見ると、岐阜基地に帰ったのだと思われる。

着陸したのは11時5分頃。飛行試験の時間は当初の予定だった1時間から1時間半に延長された。無事飛行試験を終えたMRJは大勢のギャラリーの待つ小牧空港に舞い戻ってきた。この後、ドアが開けられ機長が手を振って降りてくるわけだが、そのシーンは見ることが出来なかった。

今回は比較的遠巻きに見ていたこともあり、全てを記録しレポートすることは叶わなかった。その点にやや物足りなさを感じている読者がいると想像しているが、いかがであろう。しかし僕ができるのはこれくらいだ。僕なりに全力を尽くしたつもりだ。たったの2回だけだが、これにてMRJの初飛行ドキュメントを終わりたいと思う。

僕が詳細にここに綴っていることは全て本当のことである。僕のブログを通じて当日見られなかった人達にこの感動と興奮を伝えられ、そして「初飛行はこんな風だったのだ」と詳細を書き記すことができたのは僕自身の喜びでもある。



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